ダイデザインはざっと上げただけでも上記の通りあります。最近の塗工液は脱溶剤傾向にあるなか、水系、強酸性、高表面張力、チキソ性、導電性の塗工液が増えています。従い、塗工テストをしながら塗工液に合わせたダイデザインが必要になります。さらに再凝集し易い、沈殿し易い、平均粒子径が定まらない、溶媒の気化が早い等のいずれかの問題をかかえています。 従来の大気解放塗工方式である、メイヤーバー、コンマ・ナイフ、小径グラビア、スクリーン、スピン、スプレイ等の方式ではうまく塗工出来ず、スリットダイコーター方式を頼りにテスト塗工に来られる方が増えています。 当然スリットダイ方式が万能であるはずがないわけで、塗工液の改善もお願いもしますが、 ダイコーター側も少しでも塗工し易いようなダイを塗工テスト結果をみながらデザインします。 上記ダイリップ図は小生が知る限りのデザインであり、世の中にはもっと変型なダイがあり、 My-Dieをお持ちの会社もあります。 果たして、貴社の新しい塗工液はどのダイリップに適合するのか今後の塗工技術蓄積及び 社内の技術継承の為確認しておくべきと思います。 しかし、300,400,500mm幅のテストコーターですと、ダイヘッド相場価格幅100mm(100万円)とすると、いくらお金があっても間に合いません。 当社のダイ幅は標準100mmなので、色々なデザインに変更、修正が可能で、結果もすぐに わかリます。貴社専用の「My-Die」作りに是非ご協力させていただきたいと思います。 あと、2層同時塗工ダイですが、これは1層よりもさらに、液のレオロジーに影響にされ易く 、写真感光材での塗工文献しかありません。 今後まだ研究されねばならない面白い技術かと思います。
‘含浸、厚塗り、リチウムイオン、高粘度’ カテゴリーのアーカイブ
ダイコーターリップデザイン
2014年6月13日 金曜日2号テスト機全体図
2014年3月11日 火曜日含浸用ダイ・
2013年5月24日 金曜日上図は高粘度液を多孔質もしくは繊維質の基材に含浸,充填、浸透させようとする為にダイリップの先端の形状をデザイン化したものです。 ①図のように通常のダイに傾斜をつけただけのスリットダイでは、ブレードとかコンマコータ ー と同じなのでなかなか基材に含浸させることは困難であり、吐出された液はほとんどダイ リップの周りにはみでてしまい効果がありません。 ②図は液のはみ出しを防ぐために右側リップを逆傾斜させましたが、少々改善されるものの横漏れが発生しまだ不十分です。 ③図は横漏れもしないようにリップ内側に傾斜を作りました。これでかなり含浸率は上がりましたが、①②同様傾斜によりスリット部の吐出圧が分散され厚物の基材を浸透させるまでの圧力がありませんでした。 ④は完全にリップ出口をチャンバー化してあるので、リップ先端を基材に密着させるとかなり含浸出来ました。ただ、速度はあげられず、塗工表面はあまりきれいなものではありません。⑤は左リップのスムージング部分を大きく取ったので、スムーザー効果が出て面性が上がりました。 理想的には⑥図のように、吐出圧も下げず、傾斜での押込み力もあり、スムーザー効果もあるという形状のものです。